【本】#024 「わかる」とは何か / 長尾 真

「わかる」とは何か
「わかる」とは何か

おもしろいことを思いついたときに「わかった!」って言う人が大好きなわたくしですから、この本を手に取るのは自然です。

タイトルから哲学や論理学、あるいは一般的な説明における「理解」についてが書かれていると思い手に取りましたが、科学技術における説明責任がおもな内容でした。その点においては期待はずれではありましたが、なかなかどうして興味深い内容でした。科学技術の説明も、結局のところは「解りづらく複雑なことをどのようにして一般に伝えるか」であるからです。

本書が書かれたのは2001年でしたが、そこには「マグニチュード9を超えるような地震」「巨大地震発生時の原子力発電所の安全性」「予算を得るための研究成果の捏造偽装」「科学的発見の過度な一般化」等、その後におきるさまざまな事件/事故/問題を予見しているかのような記述があり、驚きました。そのような事態が発生したとき、「なぜ」「なるほど」「わかった」が、果たして一般社会にあったのでしょうか。15年ほど前から著者が警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、なるべくしてなった社会なのかも解りません。

最後まで読んだところで“「わかる」とは何か”はよく解りませんでしたが、「わからせる」ための方法や技術を細かく論じ分析し、それらを帰納していって結果的に「わかる」ってこういうことでしょ、ということにしている印象でした。そこに哲学や論理学、言語学もでてきています。
それらを科学技術の説明責任を果たすために使っていこうぜ、というかんじ。

タイトルを期待して文章を読み始めると「あれ?」と思いますが、その中に「わからせる」ために必要なことが次々にでてきますので、じっくり読めば期待どおりと言えるかも知れません。

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