ステルス方言に翻弄された若き日々

母親は鹿児島生まれ、父親(故人)は茨城生まれ。東京で生まれ育ったのがわたくしです。
どうもこんばんは、シティーボーイです。

鹿児島の方言というか、鹿児島弁は本当にキツイ。まじでなに言っているのか解りません。
あまりにトリッキーな言葉の使い方ですから、「鹿児島弁は戦争の際に敵軍に傍受されてもよいように暗号として使われた」「鹿児島弁は標準語を暗号化するために考案された人工言語である」という、真偽不明のいわれもあります。

たとえば有名な鹿児島弁としては「さんごじゅうご」というのがあります。
「3×5=15」のことかな、と思わせておいて「しばらくは」「時間が経ったら」という意味とのこと。「産後15日間は安静にする必要のある期間」というのが語源とのことですが、なんか倒錯してませんか? そんなことある? これはもう人工言語と言われても仕方ないでしょう。

母親の発話は鹿児島弁の可能性があると幼いころから思っていたし、逆に父親の発話は標準語だと思っていました。茨城は関東だから安心です。なんか父親は鹿児島弁をめちゃくちゃバカにしてたし。

結婚する前、同棲していた彼女(現・妻)に洗濯物を取り込んでおいてほしい局面があり、わたくしはなんの気なしに「洗濯物こんどいて〜」とお願いしました。
ちょっとぽかんとする彼女。やがて洗濯物を取り込みに行きました。

「『洗濯物こんどいて』って方言?」と彼女。

いやいや、「洗濯物を取り込んでおいて欲しい」って意味でしょ。方言とかじゃなく。ふつうに使うでしょ。実家でも使ってたし。

「意味は文脈で解ったけど、そんな言い回し聞いたことない」と彼女。
彼女のご両親は神田と千住生まれなので、彼女は完全に東京ネイティブであり、わたくしの分が悪いです。分が悪くとも、諦めないのがわたくしです。絶対に方言じゃないハズ。めっちゃ調べました。

茨城弁でした。
ステルス方言、まじでカンベンしてくれ。

「『こんどいて』って何? おかしくない? “取り”だけ略す? それで東京生まれ気取り?」とめちゃくちゃバカにしてくる彼女。これ実家でわたくしの父親が母親にやってたヤツだ。あんたの遺したステルス方言で、いまわたくしはカウンター喰らってるのだよ。

その後、父親が使っていた「水わすら(水でイタズラすること)」「てれんこてれんこ(ノロノロ・ダラダラすること)」等がステルス方言として摘発され、わたくしは「茨城の人はぜんぜん標準語しゃべれてないな」と思ったのでした。

茨城といえば牛久大仏。めちゃくちゃでかい。
茨城といえば牛久大仏。めちゃくちゃでかい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です