そろそろ妻が誕生日なので、なにかいいものでも食べようかと計画。
「いいものでも食べようか」となるとすぐに「焼肉」を考えてしまうわたくしの貧困な発想により自他ともに閉口なのですが、それでも妻はここの焼肉屋さんは美味しそうだ、ここの焼肉屋さんも気になる、と言っています。
「でも、ポストユニークとかで家で食べてもいいかもね」
ポ、ポストユニーク。
おそらく「唯一のなにかを経たあとの、それに変わるプランB」のような意味でしょう。たぶんつづりは”post unique”。急に高尚なことを言い始め、自宅での食事を提案する妻。この場合のポストユニークとしての答えはなんなのか。
わたくしは、妻の誕生日という大舞台において試されている。
しかし、ポストユニークの答えはわたくしにはございません。焼肉以外の何を自宅で食べたいのかを直接的に確認するしか、わたくしに残されているルートはないのです。
「『ポストユニークで家で食べる』ってなにかね、結局なに食べるかね?」
「ポストユニーク? いや、ちょっといいお肉。『ちょっといいお肉を買って、家で食べてもいいかもね』って言ったの」
聞き間違えでした。
あと、別に焼肉は食べたくなかったみたいで、家で鍋にしました。