物理的にも様相的にもヨゴレてしまった掃除の時間

「あれはなんだったんだ」という思い出、だれにでもあると思います。

中学1年生の昼休みの掃除の時間。すべての机とイスを教室の中心より黒板側に動かし、空間を作っての清掃作業。
社会人になってから家以外を「掃除」するのって、年末の大掃除や席替えのときくらいになってしまいました。

広い空間ができたところに、Mくんが回転しながら急に飛び出してきました。彼は掃除当番でもないため、シンプルにジャマ。
Mくんは何を思ったのか「ソープ! ソープ!」と叫びながら、ぐるぐる回っています。ただただ、ジャマ。

ここでいう「ソープ」とは、おそらく、「ソープランド」のことと思われます。
覚えたての下ネタを炸裂させたい気持ちは痛いほどに解ります。中学生男子にとって、「裸の女性が待っている部屋に裸の男性が入っていき、カラダを洗ったり洗われたりするうちにやがて性交渉を致す」店舗が「ソープランド」すなわち「ソープ」と称される、という情報は、あまりにもラジカルといえるでしょう。「そんなお店があるんだ!」の感動。
そんなことを知ってしまっては、回転しながらその単語を連呼するしかない。自分の性衝動を表現する、あるいは抑圧するには、回転をさらに加速させその単語を連呼するしかないのです。

加速する回転のなかで興奮が絶頂に達したMくん、ついに嘔吐
突然のことに騒然とする教室。

「やっちった……」とMくん。
「やっちった」のは、見れば解るよ。

昼休み後の掃除の時間、掃除当番でもないのに掃除の舞台に回転しながら闖入し、下ネタを連呼し吐瀉物で教室を汚す。物理的にも様相的にも、教室は「ヨゴレ」てしまった。「掃除の時間」なのに。
断りもなく急に開始され、理解が追いつかないまま急に終了した、一連のできごと。もはやMくんを含めた全員が、そこに在る事実についていけていません。

みずからのしでかした結果を片付けるのは、すっかりテンションを落とし我に返った本人のみ。
掃除当番の生徒は遠巻きにそのさまを見つつ役割をまっとうし、それ以外の生徒も「大丈夫……?」「どうしたの……?」と聞くだけです。

「大丈夫……?」「どうしたの……?」の意味が、深い。
まじであれはなんだったのか、いまだもって解りません。

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