「あれ、ネズミらしいよ」「えっ、ネズミ…!」

会話の内容を正確に把握するためには、文脈の理解が必要となります。

日常生活における会話というのは、カンタンな単語のみを用いていたり、文法がおかしかったり、正確さに欠ける表現だったり、背景や目的とかの説明を端折ったり、一般的に意図されない言い回しをしたり。とにかく文脈の理解がないと、何の話をしているのかが解らない。
いっぽうで、断片的に聞こえる会話がおもしろく感じてしまうのも、ここに理由があると思います。何の話をしているのかが解らないから、想像をかきたてるのです。いくらでもおもしろく捉えることができます。

A「あれ、ネズミらしいよ」
B「えっ、ネズミ……!」

職場の少し離れたところで繰り広げられていた同僚の会話で、わたくしの耳に入ってきたのはこれだけでした。
何の話をしているのかは、皆目検討つかず

Aさんはすこし真剣な表情で何かがネズミであることを、言葉と言葉の間に「タメ」を置くゆったりとしたペースで話し、Bさんはやや神妙な面持ちかつ驚きを交えながらもそれを受け止めていました。AさんもBさんも何かがネズミであることを知らずに生きてきていて、その事実を知ったいま愕然としているようすです。

なお、わたくしの職場では業務上ネズミがフューチャーされることはありません。システム開発の仕事なので。
「マウス」の語源に驚いているということも、おそらくはないでしょう。もしそうであれば、「あれ」ではなくマウスを持ち上げ「これ」と言うと思います。いまこの文章において、わたくしはコナンくん並みの名推理を魅せつけていることを褒めてください。

さて、AさんとBさんは何をネズミであると議論していたのか。
わたくしは、別の同僚に問い尋ねてみました。

「あ〜、ミッキーのことじゃないですかね(適当な感じ)」

たしかに会話の流れとしては異様にしっくりくるけど、ふたりとも知らなかったの? なんていうか、いまそこ?

ネズミであるとのこと
ネズミであるとのこと

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