新宿、ツッコミ不在のおもしろさ

ツッコミ不在の会話は、いかがでしょうか。

会社の先輩(女性)、会社の後輩、その奥さまと新宿で飲みました。ほろ酔いの連中は新宿駅の東口改札へ向けて、カーブした階段をゆっくりと降ります。

金曜夜の新宿の街には、渇望と欲望が入り交じった赤紫色の空気が満ち満ちているようで、「喧騒」という言葉を超えた雑音がさも当然のように鎮座しています。ところが東口のその階段は、不思議と静かに空いていたのです。

その階段を駆け降りてゆく女性に追い越されました。
階段なので「タッタッタ」と等間隔でスムーズな足取りではなく、「タタッタタッタタッ」と16分音符と付点8分音符の荒っぽいリズムを刻んで駆け降りています。ヒールの音が反響する。

その女性の背中を見ながら、先輩と後輩の奥さまが会話を繰り広げていました。

先輩「あ〜、ああいうの懐かしいですね」

どういうこと?
「階段の降り方」に時代の制約があったり、それで慕わしい気持ちになります? 「懐かしい」が、ぜんぜん解りません。

奥さま「たしかに、最近やってないですね!」
先輩「ねー」

「たしかに」て。「最近やってない」ってなに? 「階段の降り方」っていちいち記憶しているものなの?

わたくしはめちゃくちゃツッコミたかったのですが完全にタイミングを逃し、別の話題が展開されはじめてしまいました。
ですので、わたくしの胸中にあったツッコミをここに記載しておきます。ツッコミというより疑問でしかありませんが。

しかしこのツッコミ不在の会話、余分なツッコミがはいるとスピード感に欠け、おもしろくなくなっていたかもしれませんね。

新宿
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