山崎のハイボールを飲ませてくれない空間

ハイボールはお好きでしょ。

わたくしはお酒はほとんど飲まないのですが、飲む機会があるときはだいたいハイボールを飲みます。
その際はナマイキにも、竹鶴や山崎など「ちょっといい」やつを注文するのです。雑味のない、すっきりとした飲み口のものをすこしずつ飲むのが好きなのです。

その日の居酒屋でも山崎のハイボールがメニューにあったので、迷うことなく注文しました。異国の店員さんが「ヤマザキ ハイボール」とわたくしの要求を理解し、厨房へと消えました。
「ちょっといい」やつを注文すると、概ねそのロゴが刻印された金属のタンブラーでやってきます。ふつうのハイボールにプラス150円くらいでこの高級感が味わえるのらば、安いものだと思います。

異国の店員さんが「ヤマザキ ハイボール」と言いながら持ってきたのは、トリスのおじさんが書かれたジョッキでした。

トリスのおじさんのジョッキ
トリスのおじさんのジョッキ
「いや、トリスじゃなくて山崎…」とわたくしは言うものの、「コレ ヤマザキネ」「コレ ヤマザキ」「ヤマザキヨ」と、異国の店員さんは当然のごとく山崎の一点張り
お店は空いているので食器がすべて出払っているとは思えませんが、たまたま金属のあのタンブラーがなかったのかもわかりません。そこまでの一点張りならばと、明らかに山崎の色ではなくトリスの色の液体が入ったジョッキを受け取りました。

ではひとくち。

むちゃくちゃ濃くてなんだか解らない! でもこれぜったいトリスだろ!

ほぼ原液のトリスで完全に泥酔してしまい(お冷の水で割ったりしたけどダメだった)、前後不覚になりながら大塚駅を目指すわたくし。途中の自販機で水かなんかを買って飲んだり、ちょっと座ったりしました。

山崎のハイボールの金額を支払ってトリスのおじさんのジョッキでめっちゃ濃いトリスのハイボールを飲むことになり、さらには別途水まで購入する始末。おカネの使い方がヘタすぎる。

おそらくこの世界線には、ふたつの空間があるのだと思います。
ひとつは、山崎のハイボールを任意に飲ませてくれる空間
そしてもうひとつは、山崎のハイボールを絶対に飲ませてくれない空間

あなたが在るその空間は、いったいどちらなのでしょうか。

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