【本】#032 非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門 / 飯間 浩明

非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門
非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門

「論理的な文章が書きたいな」と常に思っているわたくしですから、この本を手に取るのは自然です。

文章を論理的に書くためのテンプレートとして「クイズ文」なるものを提案し、紹介している内容となります。
よい「文章の書き方」はいろいろなものがあり、すべてを紹介することは難しいと筆者の飯間さんは語り、その上で論理的な文章のテンプレートである「クイズ文」を提案し、そのことだけを丁寧に紹介しています。

わたくしたち日本人は、「クイズ文」ではない、事実と感想に基づく文章(本書では「日記文」としています)を書いたり読んだりすることは学生時代にあったものの、論理的な文章である「クイズ文」を書くことはほとんどありません。そのため、日本人は本質的に論理的な文章を書くのがニガテ(というより、書き方が解らない)です。
飯間さんは、論理的な文章は「問題」「結論」「理由」の3つに分解され、それはあたかもクイズ形式の文章のようであるとしています。その文章のテーマである「問題」を冒頭に書き、筆者の伝えたいことである「結論」を次に書きます。そしてその「理由」、すなわち論理を最後に書くのです。ひじょうにシンプルで解りやすい手法であります。
また、「理由」は反論の余地がなければいけない(反論ができない主観的な「理由」は、「理由」とは言えない)、といった論文に必須である条件も、本書ではディベートの手法とともに語られています。ディベートまで出てきたのは意外でしたが、これもまた「理由」の論理を強固にする必要がある「クイズ文」の書き方にうってつけのものと言えるでしょう。

仕事をしていると書かなければいけない「報告書」や「提案書」などはまさに本書の「クイズ文」テンプレートで書くことができ、確実に説得力も増します。また、人前で何か話したりするときもこのテンプレートは大いに役立ちます。それがこんなにカンタンに理解できてよいのかと思いました。
本書のタイトルには「非論理的な人のための」とありますが、「自分は論理的」と思っている人もはっと気づく箇所があると思いますので、「論理的な文章に不慣れな」全国民が読むべき本だと思います。オススメです。

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