『スシ食いねェ!』がガンガンに流れる回転すし店

以前、池袋のサンシャイン60で働いていたときのこと。
仕事を終え、職場から池袋の駅に向かう途中には、店頭で延々と『スシ食いねェ!』を流している回転すし店がありました。うるさい。

池袋にたむろする若者などを縫うように避けて帰路に就く途中、爆音で聞こえる『スシ食いねェ!』。仕事で疲れていたりすると、若者たちのジャマさも相まってイラ立ちが加速します。
その店の前を通っては「なんなんだ」と思うばかりでした。

ある日、後輩のYくんが「2年くらい前に『スシ食いねェ!』の回転すし店に行ったことがある」という情報をもたらしてくれました。

わたくし「そうなの、あのすし屋いったの?」
Yくん「はい、けっこう美味しかったですよ」
わ「さすがに店内は『スシ食いねぇ!』は流れてないでしょ?」
Y「いや、ガンガンに流れてましたよ」
わ「まじで!?」

がぜん盛り上がるわたくし。内も外も『スシ食いねェ!』がガンガンに流れる回転すし店なんて、この世界に存在するの?
その週の金曜日に何人かの都合をつけて、さっそく訪問することとしました。

仕事を終えたわたくしたちは、回転すし店の前に立ちます。店頭では変わらず延々と『スシ食いねェ!』が流れています。
今宵ばかりはこの『スシ食いねェ!』がうるさくは感じず、ある種の福音(ゴスペル)のようにも感じられます。このテンションが、店内でも繰り広げられているのか……! いざ入店!

「ドゥーン……」

店内、無音。
唯一聞こえるのは、回転すしが回転する部分のモーター音

しかも店内ではなぜか誰ひとり会話もしておらず、さも「雑談禁止」といった雰囲気。「あれ、こんなんだったかな……?」とYくん。

外では『スシ食いねェ!』がガンガンに流れ、内ではバランスをとるように無音。そんな回転すし店がこの世界に存在するなんて。逆に笑った。

「フシ食いねェ!」に見えるな
「フシ食いねェ!」に見えるな

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