【本】#045 社会学 – わたしと世間 / 加藤 秀俊

社会学 - わたしと世間
社会学 – わたしと世間

社会学についての本を読んだことがなかったわたくしですから、この本を手に取るのは自然です。

「社会学」が、社会学者の数だけそれぞれに解釈や研究内容が異なる内容の学問であることを断った上で、本書では著者の加藤先生の考える「社会学」について展開されていきます。
「社会」とは、カンタンに言えば「世間」「人間」のこと。だから、世間に人(わたし)が触れるときに「学ぶこと/知ること/考えること」こそが「社会学」である、といった内容でした。これは解りやすい。

つまり、わたくしはわたくしの身の回りの出来事だったりわたくしの日々考えていることをこうして文章にしてWebサイトにアップロードしていますが、これこそが社会学というワケです。今日からわたくしは社会学者を名乗れる!

化学や数学などの理系学問はあらゆる事象に法則性を導き出し、整理してシンプルにした数式で論理的に事象を研究していきますが、社会学はむしろ逆で、個々人の接する「社会」は十人十色に異なり、ふたつとして同じものはございません。「社会学」とはそこに在る個別具体的な学問ということになります。
これらを知っても応用性はないかもしれませんが、生活や人生は豊かになるでしょう。笑ったり泣いたり怒ったり共感したり反発したりとか、感情に訴えかけるのが「社会学」なんですね。

そういえば、SNSとはSocial Networking Serviceの略でした。socialとは元来「社会」のこと。現代の「社会学」はすなわち、SNSにあるのかもしれません。
過去の社会の様相が垣間見れる百人一首とか、いまでいうTwitterがバズったみたいなもんでしょ? ちがうかな。

「人間と世間のありよう」を分解し、多角的に(本当にいろいろな角度で)具体的に論じている本書には、「社会学ってなんだ?」に対しての明確な解がありました。オススメです。

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