【本】#020 地下鉄誕生―早川徳次と五島慶太の攻防 / 中村 建治

地下鉄誕生―早川徳次と五島慶太の攻防
地下鉄誕生―早川徳次と五島慶太の攻防

地下鉄が大好物であるわたくしですから、この本を手に取るのは自然です。
のちに「地下鉄の父」と言われた早川徳次さんが、日本初の地下鉄をどのようにして作ったか、そして「鉄道王」と言われた五島慶太さんがその地下鉄を手中に収めようとどのように振る舞ったのか、史実に基づき少しの脚色を加えて書かれていました。
早川さんと五島さんが建設した地下鉄(のちの銀座線)が浅草〜新橋〜渋谷のルート(新橋駅で90度カーブする)をとった理由や、舛添前都知事に「品川と都心部、あまり便利よくない」と独特の言い回しで指摘されてしまったほどに品川が地下鉄不毛の地となってしまった遠因も解ります。

本の主人公は早川さんですので、五島さんは早川さんの地下鉄を「乗っ取ろうとする」なんてライバルとして書かれていて、歴史小説としても面白いです。もちろん、日本初の地下鉄がどのような技術で建設されたのか、どのような技術で運行されたのか、利益を出すためにどのような経営がなされたのかも書かれてあり、地下鉄好きとしても大満足ですしビジネス書としても面白いかも解りません。

それにしても最終的に早川さん、ちょっと可哀想だなあと思ってしまいました。脚色もあるのかも解りませんが。
東京メトロ銀座駅には早川さんの胸像があるので、また改めてお会いし、東京に地下鉄を生み出していただいたことに感謝したいところです。

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