齢(よわい)34にして

母方の実家の鹿児島からおじさんがこちら東京の実家に来ているということで、19時から家族で食事をすることになっていました。
わたくしは昼すぎにスポーツジムに行き、すこしゆっくりしてからその食事会に行くつもりでした。

カラダを動かした後の疲れに浸りながらスポーツジムの近所の本屋で品定めをしていると、母親から電話がありました。「食事会は18時30分からに早まったのでよろしく。あと、ヤマダ電機で換気扇本体買ってきて」。

論理のつながりがまったく解りません。
鹿児島から来ているおじさんは電気工事が得意だから、実家のお店の換気扇を取り替えたい、という思いは伝わりました。ただ、予定を前倒ししたうえ、わたくしの自宅からさほど近くないヤマダ電機に換気扇を買いに行かせるのはなぜか。ヤマダ電機は、自宅から実家までの徒歩15分の道のりのあいだにあるワケでもないのです。

ジム後の疲れもあいまって、電話を受けてから時間差でイライラしてきました。
そもそもヤマダ電機に換気扇本体なんて売っているのか、なんで急にそんな依頼をするのか、運悪く降ってきた細か〜い霧雨がイラ立ちを加速させます。
「これで換気扇売ってなかったら『ババア売ってねーじゃねーか!』ってブチ切れる」。妻にそんなことを言い、イライラしながらヤマダ電機に向かいます。妻には「反抗期なの?」と言われましたが、そのとおり、齢(よわい)34にして初めての反抗期到来です。

イヤな予感はしたものの換気扇は無事購入でき、そちらを携えて食事会へ向かいます。重い。
食事会は実家近くのお店にて執り行われました。ここの焼き鳥と釜めしは絶品。
わたくしども夫婦は換気扇の重さもあって4分ほど遅れて到着したのですが、母親はなんと不在。その後30分ほど遅れて、ナゾの笑顔で入店してくるという体たらく。ババア…!

とはいえ、食事会自体は楽しく、家族っていいなあなんて思いつつ、やがて兄と姉が思春期だったころの話になりました。
時代背景と父母の厳しさもあり兄も姉も当時は荒れていたようですが、年齢差もあるわたくしは穏やかに育てられたため思春期のころも大人しく過ごしていました。
そして姉は「おまえは反抗期なかったもんね」と。

いや、そこに置いてある換気扇本体のおかげでね、齢(よわい)34にして、初めての反抗期が到来したんだよ。タイムリーなコメントだね。

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