エロ本の思い出

中学生のころ、わざわざ神保町だかそのあたりまで行って、こっそりエロ本を買いました。

いわゆるメジャーなエロ雑誌ではなく、マニア〜ックなエロ単行本(月刊誌だったかな)だったと思います。20世紀の終わりころらしいエピソードですね。

購入し帰宅する際は、細心の注意を払います。
いま交通事故で死んだら遺品としてエロ本が警察や消防、あるいは家族の目の当たりになる。しかもマニア〜ックなエロ本だ。それだけは回避したい。
エロ本に対するはやる気持ちと、すべての交通規則遵守と周囲の安全を確認しつつの移動、アンビバレンスを抱えて松岡少年はオトナの階段を登っていたのでした。

無事帰宅し、エロ本を開きます。
記憶にいちばん残っているのは、全裸グラビアの横にあった、女性のプロフィールに添えてあった編集者か誰かのコメントでした。一言一句を記憶してはおりませんが、概ね以下の内容でした。

5月5日生まれのXXちゃん。5月5日はこどもの日だ。こどもの日に生まれるっていうことは、なんと365分の1の確率。う〜ん、特別な気がする。

全裸グラビアよりも、その中身のないコメントに驚きました。
分子をその日に限定しちゃえば、だいたいの人間が365分の1でしょ。ゾロ目の日に生まれたとか祝日に生まれたとか、あるいはゾロ目かつ祝日に生まれたとかなら、確率を出す意味があると思うけど(でもそうすると、365分の1よりも確率が上がってしまいますね)。

ただそんなコメントに呆れたとしても、わたくしのSLが走り出せていたのは、中学生の為せる業(わざ)だったのかも解りません。

「毎日がスペシャル」とはよく言ったものですね。
「毎日がスペシャル」とはよく言ったものですね。

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