成功と失敗

【成功】物事を目的どおりに成し遂げること。

【失敗】物事をやりそこなうこと。方法や目的を誤って良い結果が得られないこと。しくじること。

これらを前提とした上で。
職場の先輩はよく、出勤に失敗していました。

始業時刻を過ぎても先輩は席におらず、わたくしたちは休暇の連絡は受けておりません。遅刻の可能性も考えますが、首都圏すべての鉄道に遅れは発生しておらず、何よりその先輩は徒歩で出勤しているので、鉄道の遅れも関係はありません。

「出勤、失敗ですね」

同僚とため息まじりになんとなく笑い、同時に「出勤にも【成功】【失敗】の概念が適用されるのか…」と思いました。

サラリーマンは繰り返しの毎日と言われます。同じような日々を繰り返し、刺激のない毎日です。
しかし、「出勤には不確実性を伴う」と仮定すると、がらっとドラマティックな毎日になります。

たしかに、出勤前にまずは「今日」という日付の定義を疑うところから始めたり、着る服の妥当性に思い悩み(どこからがハダカといえるのか?)、電車に乗る際には上下線のどちらを利用するかの選択を検討する必要もあります。
日々は定義と選択の連続であると考えれば、失敗の蓋然性は途端に高まります。

わたくしたちは決して同じことを繰り返す日々を生きているのではなく、世界の定義と行動の選択を司っていると考えれば、あるいは「失敗」もありうるのです。

職場の先輩は「連絡なき欠勤」を繰り出すことで、身をもって「不確実性を伴う世界」を教えてくれたのかも解りません。

午後になり、出勤に失敗した先輩からやっとメールで連絡がありました。

動けなくて連絡できませんでした。休みます」

「動けなくて」ってどういうこと? 先輩、理由の選択にも失敗してますよ…。

失敗の象徴
失敗の象徴

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